キューバの二重通貨制と旅行する際に知っておくべきことをわかり易く解説する。
こんにちは。
今回はちょっとわかりにくいキューバの二重通貨制度と実際に旅行するときのあれこれ解説します。
知らずに旅行に行くと頭の中が「???」となるはずなので、旅行を考えている方は是非読んでみてください。
二重通貨制とは?
その名の通り、キューバでは2種類の通貨が流通しています。
①クック
旅行中によく使うお金で、表記は「CUC」。価値は1CUC=USD(固定レート)です。
宿や交通費、観光地の入場料など、基本的にこのクックで支払います。
観光客向けレストランで食べるとメインで少なくとも4~5CUC(500~600円)くらいするイメージ。
②人民ペソ
キューバ国民が使用する通貨で、表記は「CUP」。価値は1CUC=24CUP。
(CUP→CUCの両替だと25CUP=1CUC)
また、現地ではモネダと呼ばれ「MN」と表記されているのをよく見かけました。
普通に旅行していると使う機会は少ないですが、観光客でももちろん使用可能です。
超ローカルな店だと1食10~20CUP(40~80円)くらいで食べることができます。
両替所でUSDとかを直接CUPに換えることはできませんが、ローカルな店でCUCで払うとお釣りがCUPで返ってくるので安心してください。
日本人バックパッカーの間では、このモネダで支払える(=旅費を超節約できる)ローカルご飯を「モネダめし」と呼んでいるようで、美味しいモネダめしがあるレストランの情報が書いてあるノートがこの世のどこかに存在するとかしないとか、、、
なぜ二重通貨制?
ソ連崩壊後の1994年に、外貨不足だったキューバ政府が導入を決めたそうです。
ソ連という巨大な社会主義国家の後ろ盾が無くなった中で、外貨獲得のためには仕方なかったのでしょう。
国民の平均月給は現在でも1500円と非常に貧しい状況の中で、ほぼ完全な形で社会主義経済を継続させていくには仕方のない判断だったと思います。
旅行者はCUCを使わざるを得ない環境にある
ここまで読んで、「CUPを使い倒せばめっちゃ安く済むじゃん!」と思った方も多いでしょう。確かに「モネダめし」ばっかり食べれば食費は浮きます。しかし、それ以外のところでCUCを使わざるを得ない環境にあるため、めっちゃ安く済む!というわけにはいかないのです。
観光客とキューバ国民では、様々なところで差がつけられています。以下、例を紹介します。
①宿
安宿といえばドミトリーを思い浮かべますが、キューバではドミトリーは表向き違法となっています。
また、ホテルも比較的割高なため、普通の旅行者はカサ(CASA)に泊まるのが一般的です。政府が一般市民に宿としてのライセンスを付与しており、一泊一部屋15CUC+朝食代~の値段で泊まれる仕組みなのです。
また、カサにもキューバ国民しか泊まれず宿代も安いものと、上記外国人観光客向けの2種類が存在します。
外国人向けのカサは比較的お金を持っている家が多いとのことで、内装も綺麗で部屋も全く問題ない家がほとんどでした。
②バス移動
キューバには鉄道が走っていないため、都市間の移動は長距離バスが一般的です。
キューバの長距離バスには3種類あります。
・ビアスール
観光客は基本的にこれしか乗れません。ビアスールという国営のバス会社が運営する大型バスです。乗り心地は比較的よく、途上国にありがちな爆速でかっとばす、ということもありません。
また、休憩時にはおしゃれなカフェレストランで食事をとることができます。
まさに「観光客むけ」の快適なバスなのです。
・キューバ国民専用のバス
一方、キューバ国民しか乗れないバスも存在します。
少しボロいけど値段は非常に安いとのこと。
・カミオン
バスというよりもはやトラック。大型トラックの荷台を座席に改造したというクレイジーな乗り物です。
これもキューバ国民の足となっているのですが、こちらは観光客でも乗ることができます。またクレイジーなだけあって料金も安い。
ハバナーサンティアゴ・デ・クーバ間ではこんな感じ。
ビアスール:51CUC(5,600円)
カミオン:14CUC(1500円)
さらに爆速で飛ばすので移動時間も短縮できますが、かなり揺れるうえに座席が狭いのである程度の覚悟が必要です。
また、休憩の際も地元民が使う食堂でご飯を食べます。
まとめ
キューバでは2重通貨制であり、外国人向けのCUCとキューバ国民向けのCUPが存在します。
また、現地の安食堂で食べることでいくらか旅費は節約できますが、CUCを使う場面も多く、ある程度の出費は覚悟すべきというのが正直な印象です。
とはいえ、こんなに特殊な通貨制度を持った国は存在しないので、旅行していて不思議な感覚を持つことには間違いありません。
是非キューバを旅行し、キューバならではの制度を体感してみてください。